「鱧料理を頂きたいのですが、コース仕立てで作っていただきたいんです。鱧が2品くらい、出来れば調理方法が違うものでお願いします。京茄子や野菜がたくさん使われたお料理も入れていただけたら嬉しいです。あと食べれないものがありまして...○○と○○は抜いてください、、、予算は5000円〜8000円位でお願いできますか?..........1人なんですが......」
馳走 いなせや
てくてくと、Siriに案内してもらいながら店になんとか到着すると......
あ、なんかちょっと気軽に1人で来ちゃっていいのかな?って店だったかもしれぬこれは所謂...高級割烹ってやつか....あれれわりとリーズナブルな気がしたんだけど(;:´°;Д;°`:;)
という雰囲気を醸し出している。
ふ、服着替えてきてよかった!!!
これはあれだ、
「花子さん、実は、僕の行きつけの店があってね....君に食べさせたいと思ったんだよ.....鱧料理、食べたがっていただろう?」
「まぁっ!太郎さん覚えていてくれたの?嬉しい!!京都に来たなら鱧を食べたいって前から思っていたの」
「さぁ、着いたよ。この店だ、馳走 いなせや、足元に注意するんだよ。花子さん」
「ありがとう。太郎さん。楽しみだわ」
ってやつだろ!!
1人ですけどね!!!
そんなわけで、カラコロカラ....と、ドアを開ける。
私の隣には、太郎さんはいない。わたしは花子でもない。
「いらっしゃいませ。」
和服美人が、お出迎え。
「20時に予約しました、雨李(ここ本名)です」
「雨李様、お待ちしておりました。ご案内します。」
通された場所は、テーブル席では無く、ちょっと仕切られたカウンターだったのだ。
「いらっしゃいませ、雨李様ですね。こちらにどうぞ!」
カウンター越しの調理場で作業をしていた板さんが、自分の眼の前にお座りくださいと促すわけです。
この時、わたしは少なからず、ちょっとゴクリと唾を飲み込んだ。
これは.....もしかしたら、黙って食うってわけにはいかんな......時事ネタが必要か?それとも、食材に関して話すか......うんんん、観光客なわけだし、今日の観光先をあれこれと.....ああ!でもベラベラ話す女ははしたないかしらどうしたらいい!どうする?
40秒で支度し考えな!!!
※豪快に肉を歯で引きちぎる○"ーラさん(50)
お、お、、、オーケー!!わかったよ!!
二階やテーブル席からはわいわいと何かの集まりか食事会があったのか楽しげな声が聞こえてくる。
普段あまり飲み会だなんだと人数の多い席はあまり好きではない私、、、この時ばかりは、、、、仲間に入れてぇぇ、、、と、思ったよね。
意を決して口を開こうとした瞬間である。
「あ、、、あn...「どちらからいらしたんですか?」」
「・・・・し、静岡です!!!」
「静岡ですか!富士山良いですね〜〜京都には観光ですか?」
「はい〜」
古事記でも言っている。女が先に口を出してはいけないと!!!先に言ってわたしが答えるから!!
雑談をしつつ先付が。
京茄子のずんだ餡掛け
白だしが効いてる京茄子の上にずんだ餡がかかっていてその上にいくらが。京茄子がとろっとろで口の中で溶けちゃう感じ。
カウンターと40秒で考えな!!ですっかりグルグルして写真撮れそうな雰囲気じゃないかも!!と、一品目は撮りそびれる(笑)
ずんだ餡がめちゃめちゃ鮮やかな緑でそこにいくらの朱色ですよ....映えないわけがないだろと!!!
- ズッキーニの胡麻和え
- 近江蒟蒻と里芋(のなんとか←)
- 南瓜のカステラ
- タコのとんび
「とんびは、タコの口の部分ですね。」
「へぇぇ!この、近江蒟蒻って赤いんですね。」
「ああ!それは、酸化鉄で赤くなるんですよ。織田信長が派手好きで赤くさせた〜なんて、言われているんですよ。」
「織田信長が?」
「色んな説があるみたいですが(笑)」
「諸説あります、ですね(笑)写真とっても良いですか?←」
「もちろんですよ。」
(ここから安心して撮り始める(笑))
ズッキーニは、胡瓜が食べれないと伝えていたので、ズッキーニに差し替えしてくださったようでした。ズッキーニは大好きだ!!
タコのとんびもコリコリして美味しかったです!!
「鱧の炙りです。」
「やったー!食べてみたかったんですよね!!鱧!!」
「透明のものが煎り酒、こちらが梅肉、続いて醤油です。」
「煎り酒...初めてですね...」
「日本酒に梅と出汁を煮詰めたものなんですよ」
「梅?白梅ですか?」
「ええ、美味しいですよ。あとこの赤いものは梅干しではなくドライトマトです。」
「ドライトマト!へぇぇ!煎り酒と合わせた方が良いですか?」
「合うと思いますよ!」
うわ!!美味しい....!!!
トマトの酸味と、煎り酒からほんのりくる梅の香りが相性良すぎてたまりません!!
梅肉は鱧だけで、醤油はわさび乗せて食べるのが一番美味しかった。
鱧、実は食べたことがなかったんですけど味自体は淡白なんだけど食感よくてほんと美味しい!!
京なす!先付でも、出してくださりましたが注文通り京なすのお料理も作ってくださりました。実はいなせやさん、鶏のお店なんですよね(笑)実は...。
ランチタイムの親子丼がリーズナブルで観光客に人気があるらしいです。
甘辛いタレになすと鶏がまた合いまして絶品でした。これだけでご飯何杯でもいけちゃいそう(笑)
ここで、ちょっと団体さんがご来店。
若い板さんが冷静小鉢を出してくれまして板長さんが、少しだけ失礼しますと離れ、本来自分が想像していた1人飯となる(笑)
黙々と野菜を食す。
オクラ、冬瓜、ズッキーニ、サツマイモ、プチトマト...あと、ベビーコーン。
最近、行く先々でベビーコーンが出てくるのだけど料理界で今ブームなのか?ブームなのか?と、不思議に思っていたりするんだけども、炒め物に入っていたり....はたまた天麩羅だったりサラダだったり....必ずしも入れる食材では無いよね?ベビーコーン。
しかし!!めっちゃ行く店行く店よく出会うのだけど、ハテ?
白だしに、プチトマトってめちゃめちゃ美味しいという事を知る。今度作ろう!(ベビーコーンを添えて(笑))
アスパラも合うかもしれないな〜〜。
などと思いながらチンタラ食べていたら
再び板長が戻ってきて調理再開である。
「鱧と...茗荷、ししとう、ねぎの天麩羅です。」
鱧再び!!今度は揚げで出てきました!!
サクッと、鱧を食べた時、鱧にあるものが挟まっていた。
「ん!これは...!」
「夏松茸をはさんであります」
やはり!!
旬より少し早いためフワッと香る程度なんですが、これがまた主張しすぎず美味しいんです。
炙りはコリコリしてましたが、揚げると鱧はホクホクになる。堪らぬ。
ここで、板長に鱧の旬について聞く。
本当に脂が乗るのは秋なんだそうだ。
旬は2回あって1度目は6〜7月
梅雨の水を飲んで旨味が増してくる。祇園の頃がちょうど美味しい頃。
産卵で痩せるから食欲旺盛になってくるので、また太って再び脂が乗るのが秋。
あれ....?8月って産卵...?
深く考えるのはやめよう。
さんまも脂が乗りすぎるとクドくて胃もたれするタチだし、いいの!私には丁度いいの!現に美味しいんだから良いんだ!!!
2週間ほどくるのが遅かったかも知れませーん!!アハッ♡
そろそろ終盤です!ご飯物がやって来ました。
グレの出汁茶漬け。
こーれーはー!!絶対美味しいやつ!!!!
粕漬けに出汁が混ざってヤバイ!もうすんごい美味しい、、、、、!!!
ちょっと、彦摩呂になりかけた、、、宝石箱や〜!とか言いそうになったヤバイ
ちょっと見て!アラレとかもちょこっと散らされているのよ。目頭が思わず熱くなる旨さや....こんなの初めて〜!!!(ごめんうざいね)
「これ、良かったら食べてみてください。鱧をせっかく食べに来てくださったんでね。食べ比べしてみてください。」
ややっ!!?
「あっっ!!!落とし!!?良いんですか!!」
.....全然違う。ナンテコッタ面白い!!!
全然食感が違う!!!舌触りがすごい滑らかなんだよね。
梅肉でいただいたんですけども、めちゃめちゃさっぱりしていた。
コリコリ→炙り
ホクホク→揚げ
なめらか→落とし
同じ食材でこうも味が違うのか。面白かったです。
板長ありがとう!!めちゃめちゃありがとう!!
デザートはなんと....とうもろこしのプリンですよ。
とりあえずまたウザいですけども、最後の最後で、ウザいですけども
_人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
> 私史上最強に美味いスイーツに出会う <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
なんていうんだろう、食べたことが無い味でしたよ。
うわー!コーンがこんなスイーツになっちゃうのか!!イチジクとも相性よくって甘過ぎなくてでもとうもろこしの甘さがめっちゃ甘くてなんでいや良いんだ!!!
砂糖とかそういう甘さじゃないんだよ果糖と言うのか?そういう甘さ!!あーこれまた食べたいですわ....;;;;;;(また行かせていただく機会があったら絶対これ入れてくださいって言っちゃいそうな予感。夏に行こう絶対夏に!!とうもろこしの季節に!!!)
と、そんなわけで、めっちゃ充実した1時間半時間かけて食べたわけですが......
「ご馳走様でした...もう、本当美味しかったです」
「良かったです。ありがとうございます」
「お会計おねがいします」
スッ、、、、と立とうとしたその時である。
「あ、座っていていただいて大丈夫ですよ」
あ..........これアレだ.......ぐるナイのゴチバトルみたいな支払い方する店だった....
あ"あ"あ"あ"!!!!!!!!!!!!!!